境界性パーソナリティ障害の人への接し方でやってはいけない3つのこと




こんにちは、関根です。

境界性パーソナリティ障害のお子様や彼氏彼女に対する接し方で悩んでいる人はとても多く、あれこれと試して様子を伺っているといったこともあるかと思います。

接し方というのは「叱り方」「褒め方」「コミュニケーションの方法」「自傷行為をしたときの対処法」など、状況別に表したら山ほどありますが、今回は、この3つをまずは基本の接し方として知っていただきたいことをズバリお話していきます。

境界性パーソナリティ障害とは

まず、境界性パーソナリティ障害についてです。

境界性パーソナリティ障害、または境界性人格障害(BPD/ボーダー)とは、気分の波が激しく感情がとても不安定、物事の良し悪しを両極端に判断したり、強いイライラ感が抑えられないといった症状を持つ精神疾患です。

【1】できないことやミスを責めない

境界性パーソナリティ障害は「うつ病」「ADHD」「統合失調症」などの精神疾患と併発することが多く、アスペルガー症候群(発達障害の一種)と併発する場合があります。

誰でも、自分にできないことや苦手なことを責められたらイライラしますし、ミスを頭ごなしに叱られたら凹むのですが、境界性パーソナリティ障害の場合はさらにこのイライラ感や凹む度合いが強いのが特徴でもあります。

例えば、「原稿用紙1ページ分(約400文字)で自己紹介文を書いてください」というミッションがあった場合、一生懸命考えても100文字ぐらいしか書けなかったとします。

スラスラ書けてしまう人からしたら「え、なんでこんな簡単なことができないの?」と疑問に思い、見下すつもりはなかったとしても無意識にそのような気持ちが出てしまい、境界性パーソナリティ障害のお子様や彼氏彼女は「責められている気分」になってしまいます。

もちろん言葉で言うのも同じことです。

「なんでこんなことができないの!」「いやいや、そんなに普通はすぐ書けるでしょ」というような言葉が、自傷行為を誘発したり、強いイライラを解消するために依存しているもの(アルコールなど)に頼ってしまうことがあります。

【2】決めつけない・意思を尊重する

境界性パーソナリティ障害のお子様や彼氏彼女に対するイメージを頭ごなしに決めつけたり、意思を頭ごなしに否定することをしてはいけません。

誰にでも「人権」があるのと同じように、境界性パーソナリティ障害のお子様や彼氏彼女にも「選択の自由」があります。

しかし、ときには「それはいけない」と思うようなことを要求されることがあるかもしれません。

ですが、たとえその要求を飲めなかったとしても、意思を尊重し、先入観や決めつけで物事を見ていくのではなく、「いけない」のであれば「しっかりとしたいけない理由」を伝えられるように工夫をしましょう。

また、すべてを「良い」「悪い」で決めるのではなく、妥協案や代案を一緒に考えていく姿勢も大切です。

【3】付き添いすぎない

過保護になりすぎてしまい、何でもかんでも「付き添う」「寄り添う」のはNGです。

境界性パーソナリティ障害のお子様や彼氏彼女ももちろん自立(自律)が必要で、すべての面倒を見てしまうのは自立(自律)の妨げとなります。

ときには「ミスしても良いから、思い切って1人でやってごらん?」と大きな心を持ってチャレンジさせてみる勇気が必要です。

この3つの具体例

ここから先は、境界性パーソナリティ障害の彼女に僕が実際に行なっていた方法を交えながらお話していきます。

今現在、境界性パーソナリティ障害はほぼ克服(完治)していますが、コミュニケーション力、自発的な行動が苦手ですので、今でもこのような方法や工夫をしています。

「できないことやミスを責めない」の具体例1

僕の彼女は「自分で考えた行動」がとても苦手です。

例えば、メルカリやラクマのようなフリマサイトで商品を購入した際、商品が到着したら出品者に「到着連絡」と「評価(メッセージ)」をするのがマナーなのですが、このときの「評価(メッセージ)」の送り方がわかりません。

彼女(陽夏)
ねぇねぇ、相手になんて送ったら良いの?
関根
商品に問題がなければ、「無事商品が届きました!ありがとうございました!」って送ればいいよ〜。
彼女(陽夏)
ありがとございますっ!

こんな感じの会話が繰り広げられます。

どんなに簡単なことであっても、手が離せないとき以外はすぐに答えたり、言葉系で少し長くなってしまうようなときにはLINEで参考文を送ってあげたりすることもあります。

1つ1つ覚えていってくれたら、それでいいのです。

「怒る、見下す」は自分の感情をただ押し付けるだけの行為になってしまいます。

境界性パーソナリティ障害の人への接し方は、できたことに対して褒めることです

2018.04.23

上の記事では「褒めることの大切さ」について書いていますので、もしよろしければ読んでみてください。

「できないことやミスを責めない」の具体例2

これはつい最近の話です。

彼女はお菓子を作るのが好きでちょこちょこいろんなお菓子を作ってくれるのですが、先日、彼女はスマホで洋画ドラマを視ながらロールケーキを作っていました。

すると、よそ見をしながら作っていたのか、生クリームの中に氷水が結構な量入ってしまい、シャバシャバになってしまいました。

もちろん、ちゃんとしたホイップ状の生クリームはできませんでした。

彼女(陽夏)
もー!どうしたらいい!?
関根
シャバシャバにしかならないんだったら、また買ってくるしかないわなぁ。

ついさっき材料を買いに行ったばかりだったのに、『はぁ、また買いに行ってくる!!』と言って再度買い物に行きました。

実はこの2日ほど前に、料理をしながらスマホで洋画ドラマを観ていたので、『さすがに料理のときには観るのやめようね(笑)時間があるときにゆっくりドラマは観たらいいんじゃない?』と僕は伝えていたんです。

彼女の成長にとって良いことであれば基本的にはすべて僕がお金を出しているのですが、お菓子の材料代も映画や洋画ドラマが観れるサイトの月額費用ももちろん僕がお金を払っています。

※「払っている自慢」をしたいわけではなく、この先ここが大事になってくるのでお許しください(笑)

僕は予めミスやトラブルを予測して回避するタイプですので、このように伝えていたのですが、『だーかーらー言ったじゃんかー!!(怒)』と言いたくなる気持ちは正直ありました。

材料を無駄にもう1度買わなきゃいけないのはもったいないですし、わざわざまた買いに行くのも絶対に面倒くさいはずです。

関根
よそ見してると「良い仕事」はできないってことだな!(笑)

僕は笑いながらこれだけ言い、あとはなにも言いませんでした。

まず、「ミスやトラブルの予測」は僕の得意技です。ですから僕が彼女にいくら伝えたとしても、彼女自身がそのミスを味わわなければ「実感」が湧きません。

そして「彼女自身のお金じゃない」というところもポイントです。彼女の性格からすると、自分のお金であれば「ただの無駄遣い」で終わっていたのかもしれませんが、自分のお金ではないからこそ「責任」を感じたはずです。

「うわ、もったいないことしちゃったな・・・」って。

そして、僕が怒る以上に自分自身に怒っていたと思うので、「僕があれこれうるさく言う必要はない」と感じたのです。

むしろ100円ぐらいのお金で彼女が良い経験ができた、と思いました。

「自分がお菓子(今回はロールケーキ)を食べたい!」という気持ちももちろんあると思うんですけど、僕の疲れを取るために甘いものを用意しようとしてくれていたんだと思います。

それもわかっていたので、それを責めて、せっかくの気持ちを踏み滲むようなことはしたくないですしね。

ですが、次同じ間違いを繰り返したら、そのときは間違いなくこうなります。

関根
陽夏?俺が言いたいことわかるよね??
彼女(陽夏)
うぅ、ごめんなさい!もうしません!

これだけで終わります。

境界性パーソナリティ障害がほぼ治っていたとしてもADHDやアスペルガー症候群の気質は残っています。

ですから、1歩ずつ成長していけるように一緒に1つずつ学んでいくのです。

「決めつけない・意思を尊重する」の具体例

境界性パーソナリティ障害の特徴でもありますが、過去に親などから「頭ごなしに否定されてきた」というトラウマを持っている場合もあります。

もし両親がこれを繰り返していたらお子様の症状は良くなりませんし、両親へのイメージもあまり良くないままです。

僕が彼女の意見を聞くとき、必ず「その意見の意味」を聞くようにしていました。それが何らかの願望(僕へのお願い)だったとしてもそれを繰り返し、一緒に考え、僕の意見と彼女の意見を最大限出し合うように意識してきました。

具体例でいえばピアスです。

境界性パーソナリティ障害の症状がまだまだ落ち着かない頃、「アクセサリーが好き」という気持ちがある反面、自傷行為の一環としてピアスを開ける、付けるの行為も見受けられました。

そのときは、耳にたくさんのピアス、鼻、口、おヘソにピアスがついていましたので、僕は僕の意見を言い、鼻と口のピアスを外してもらい、彼女の意見も尊重し、おヘソと耳に1、2個だけは今でも付けたままです。

境界性パーソナリティ障害を克服してもらうためにはある程度の強制も必要でしたので、そのあたりの詳しいことに関しましてはこちらのコンテンツをお読みいただけたらと思います。

有料のコンテンツではあるのですが、2年間で僕が行なってきたことをかなり詳しく書いています(しれっと宣伝、すみません  笑)。

話が少し飛びましたが、境界性パーソナリティ障害を克服してからしばらくして、彼女が僕にこんなことを言いました。

彼女(陽夏)
もう自傷行為の目的じゃないし、軟骨(耳)に1つぐらいピアスつけてもいい?!

※昔付けていたのでもう穴は空いています。

関根
陽夏が「どうしても付けたい!」っていうのなら、もう境界性パーソナリティ障害に関してはほぼ克服しているわけだから、自分で決めたらいいよ?

それにピアスに限らず、克服した以上今後なにかを強制することはないよ!

彼女(陽夏)
え、それずるい!「付けていいよ!」って言ってもらえなきゃなんか怖いじゃん(笑)
関根
オシャレで左右の耳に1つずつピアスを付けるのは良いと思うんだけど、軟骨につけたりしてるのは俺は個人的にあまり好きじゃないから「付けていいよ!」とは言わない(笑)
彼女(陽夏)
むぅ。ずるい!

こんな感じのやり取りになりました。

「自発的な行動」が苦手な彼女ですので、何をするにも「確認」するクセがついています。

ですが、僕の個人的な好みは置いといて、強制させるのであればそれを強制できるだけの根拠や理論(ときには感情も大切)をしっかりと伝え、それを納得してもらうところまでがミッションです。

「付き添いすぎない」の具体例

上の「決めつけない・意思を尊重する」の具体例に似ています。

目的は「依存」ではなく「自立(自律)」です。そのために、どこまで付き添うか、どこからは1人でチャレンジしてもらうかをしっかりと見極めなければいけません。

具体例でいうと、コミュニケーション能力を向上してもらう目的のため、口頭でコミュニケーションスキルについてがっつり彼女には教えますが、実践をしなければそのスキルは身につきません。

ですから、例えば不動産関係で電話をかける必要があるときや、病院等の窓口など、僕以外の人とのコミュニケーションが必要な場合は、いつでも僕のサポートを受けられる状態でチャレンジしてもらっていました。

「もし、途中でどうしてもわからなくなったら俺を呼んでくれたらいい」

「どんなミスしても絶対大丈夫。何事もなかったかのように俺が全部解決するから陽夏の思う通りにやってみて」

文字にするとただのカッコつけかよ!と思ってしまいますが、よくこれを伝えていました。

こうするだけで、彼女は「やってみよう!」という気持ちになり、1人で病院に行ったり、今まではお母さんと一緒に行っていた美容院にも1人で行けるようになりました。

とても大きな進歩です。

ここでの僕の目的は、「親がいなくても、僕がいなくても、自分のことはすべて自分で判断して行動できるようになる」ことです(死ぬ直前の人の言葉みたいになっちゃった)。

「付き添う」「チャレンジしてもらう」の見極めるポイントはすごく簡単です。

はじめてのことであれば付き添い、そして教え、2回目か3回目以降にはチャレンジしてもらうのです。

過保護な親御さんからすると僕の考えはすごく厳しいと思うかと思います。現に陽夏のお母さんにも言われましたので(笑)

必要なのは「本人への信頼」と「なにかあれば自分が責任を負う覚悟」の2つだけです。

アンアンマンの歌じゃないですけど、つまるところ「愛」と「勇気」です。

境界性パーソナリティ障害を患う子のお母さんは共依存と過保護である可能性が高い

2018.04.17

過保護にまつわる「共依存」については上の記事をどうぞ。

まとめ

長くなってしまったので、最後にまとめますね。

境界性パーソナリティ障害のお子様や彼氏彼女への接し方で、やってはいけないことは、

【1】できないことやミスを責めない

【2】決めつけない・意思を尊重する

【3】付き添いすぎない

の3つです。

具体例を参考にして、接し方に対する不安を少しでも解消していただけたらと思います。